東京都民は、この小池百合子という人間をまた知事に選ぶのか?
この本を読んだ人は都民かどうかに関わらず、否が応でも都知事選の動向に注目することになるでしょう。
そのくらい、この「女帝 小池百合子」には小池百合子に対する批判に満ちています。
感想
悪口は蜜の味
小池百合子が育った家庭環境、学校、地域をはじめ、多くの関係者への取材をもとに小池百合子の人間性に迫る内容となっていますが、一言で言えば、とにかく小池百合子を批判しまくっている一冊です。
人の悪口は蜜の味。
権力を持つ者に対する批判そのものに、どこか読むものを楽しませる要素があることは否定できません。
それにしても、これだけの取材を重ね、ページ数を使い、一環して批判を続ける著者のパワー、執念はすごい。正直にいうと、途中でやや食傷気味にもなるし、ちょっとだけ小池百合子が可哀想にもなってきたり。
しかし、読めば読むほど、小池百合子がこの程度の批判でどうにかなるわけでもないと思わせる女帝っぷりがまさに圧巻なのであり、これからも批判者を蹴散らしていく様が目に浮かぶのです。
カイロ大学卒業疑惑
カイロ大学卒業については、これから行われる都知事選を前にして、カイロ大学が「小池氏は卒業生」との声明を出したり、卒業証書を公開してみたりと、未だに注目を集めています。
卒業とされているのは1976年。
いったい何十年前の話をしているんだと思わずにいられません。
嘘か真実かという二つに一つしかないはずの事柄が、なぜここまで問題となっているのでしょうか。
小池百合子は卒業の事実を言いつづけています。
それに対して今回の著者である石井妙子氏がそうであるように、どう考えても小池の言動は嘘だろう、と強く信じる人たちが次々と現れます。
現に、普通に考えれば決定的と思われるカイロ大学の声明、卒業証書の公開を行ってからでさえ、疑惑は払拭されないのです。
卒業の事実などどうでもいいから都政を語れ、という人も少なくないと思います。
しかし小池百合子を取材する人たちの執念は深く、それは、小池百合子の周辺にはきな臭いエピソードに事欠かないからであり、またそれ自体に読み物(売り物)としての価値があるからなのでしょう。
反響など
この「女帝 小池百合子」は、ネットで様々な反響を呼んでいます。中から気になったものをいくつかご紹介したいと思います。
これ自体は古いツイートですが、多くの人が「女帝 小池百合子」の感想と合わせて引用していたので目に止まりました。
かつて、小池百合子と交際があったとされる舛添元知事も、小池批判をしています。
2020年1月9日(木)の記事ですが、小池百合子がアラビア語を使っている動画を検証し、大学教育に耐えられるレベルからは程遠い、としています。
かと思えば、それなりに喋れているという評価も。
言語力ひとつとっても、反対の意見が出るのも、ひとえにアラブ圏に関する知識が日本であまりにも共有されていないからでしょう。
カイロ大学の声明では疑惑は何一つ解消しない、としています。
それどころか、カイロ大学の擁護により弱みを握られたという記事さえ。
今日も舛添氏は批判の手を緩めません。
最後に、著者がゲスト出演しているラジオの様子です。
コメント
[…] 思い出すに、2020年に爆売れした「女帝 小池百合子」を読んでいるときの、胸やけのような感覚に近いが、それとも少し違う。 […]