松本駅を出て、東に向かう大通りを五分ほど歩くと、左手に馬肉バル新三よしがあります。
元々は明治32年創業の三吉(みよし)という料亭。
大火による消失、戦争中の営業自粛、米軍の接収などの歴史を経て続いている老舗です。
バブル崩壊後に松本駅前の現在地へと移り、新三よしとして営業をしています。
新三よしの基本情報
信州、松本で馬肉が食されるのには、歴史的な背景があります。
郷土料理が生まれる背景には、その土地ならではの、気候風土や歴史が根底にあります。
http://sinmiyoshi.com/
山国・信州の「さくら肉料理」も独特の食文化として息づいております。
古くから駿馬の産地であった信州は、多くの野生馬が生息する地でありました。
足が速く身体能力に長けた馬は、軍馬として重用される様になります。
平安時代には、「信濃十六牧」と呼ばれる、朝廷直轄の「牧場」が置かれました。
また、東西、南北の文化が交差する地として栄えた信州には、幾筋もの街道が開かれておりました。
それ故、馬は、物資の運搬や人々の交通手段として、あるいは農耕の担い手として、暮らしと深く関わって参りました。
明治以降、その役割を終えつつあった馬は、食用として流通し、山国・信州人にとっての貴重なタンパク源となったのです。
「すきやき」として、また「モツ煮」として永らく食されて参りました。
昭和四十年代以降になりますと、冷蔵技術の発展にともない、「お刺身」としても食されるようになりました。
新三よしの馬肉、その他のメニュー
馬肉の赤身(S)780円。
実は、血の滴るような肉やレバーなんかがまったく苦手なのですが、こちらの馬肉はそういった荒々しさとは無縁。
もっちりした食感は、なにか新鮮な鰹をいただいてるよう。
あっさりした肉の味としょうが醤油がベストマッチ。
なんとも言えぬさわやかなお肉です。
信州サーモンアスパラ巻揚 730円。
よくあるアスパラの肉巻きのような見た目ですが、なんと信州サーモンが巻かれています。
信州は、きれいな水で養殖された信州サーモンも名物です。
信州サーモンのにぎり寿司 600円。
もちろんにぎり寿司でも。きめが細かい肉質で、口の中でとろけます。
「きのこ」天ぷら 630円。
写真では伝わらないかもしれませんが、この椎茸、子供の手のひらくらいありそうな特大サイズ。
美女椎茸という品種で、天ぷらとは別にバター醤油炒めもいただきましたが、ビッグサイズで超肉厚なのに、味もしっかり濃厚。
炙り霜降り さくらわさ 650円。
そして、再び馬肉。
まわりがさっと炙られた香ばしさと、口のなかで溶ける霜降り肉の味は最高です。
付け合せの三つ葉もちょうどよい存在感。
そして、言わずと知れた酒処の信州。県内各地の夏のおすすめ限定酒もありました。
どのお酒も夏らしいフルーティーな香りとキレでおいしかったですが、なかでも松本市の亀田屋酒造店がつくっているアルプス正宗が一番好みでした。
感想、その他情報
観光地でもある松本、土曜日の夜ということもあってか、お店はとっても賑わっていました。
一番の目当ては馬肉でしたが、それ以外のメニューもどれもおいしくて満足。
この美味しさなら、観光客だけではなく地元のお客さんも来られているのかもしれないなと思いました。
そして何げなく頼んだ日本酒の、おいしさと味の豊かさを改めて再発見。
酒どころのお店ならではの、確かな目利きによる紹介に間違いはありません。
週末はちょっと混んでることが予想されますが、予約もできます。
松本駅周辺でお店に行く機会があれば、新三よしオススメいたします!
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