テレビCMか何かでみた予告映像が強烈に印象に残っており、Netflixで配信されていたので観てみることにしました。
2018年7月21日公開、矢崎仁司監督。
予告編。
主な登場人物
春馬(安藤政信) 写真家。自身の個展に来た怜からの依頼を受ける。
怜(永夏子) 春⾺の個展に訪れた客。春⾺に⾃分の性器を撮るよう依頼。
夏生(松田リマ) 春馬の恋人。怜からの依頼に複雑な感情をいだきつつも春馬の活動を支える。
あらすじ
春馬の写真に魅了された怜は、春馬に写真の依頼をする。
その依頼内容は、自身の性器の撮影。怜の条件は2つで、フィルムは返してもらう、そして、一切の質問をしないこと。
春馬はその依頼を受けるが、撮影を重ねるうちに単なる仕事ではなく自身の作品としての価値をこの撮影に見出していく。
感想
性器の写真を撮るという設定が奇抜なんですが、ストーリー的に盛り上がる展開のようなものはそこまでなく、撮影を重ねていくうちに変化していく春馬と怜の関係性を、その撮影シーンを通じて受け止めていくような感じです。
この間に、夏生が春馬の子供を産み、怜の母が命を終えてくのは象徴的で、こういった設定からも生命がテーマになっているということは分かるのですが、具体的な何かを掴んだという実感するまでには至らず、なかなかに難しい。
そもそも、そんな分かりやすいメッセージを伝える映画ではないのでしょう。
春馬と怜の撮影作業は、怜の母が所有する小屋のある清里辺りで行われます。
ここにある湖や森がまた、あの世の入り口にあるかのような、何とも言えない雰囲気を漂わせています。
普段の生活している街から、いくつもトンネルを抜けて撮影地に向かうという行為そのものも、なにか現世から離れていく行為のようにも感じられます。
シネマジカルというサイトに監督のインタビューが掲載されていました。曰く「理解することを諦め、ひたすら感じてほしい」
性器の撮影を繰り返し行うという過激であることには間違いありませんが、生命を真正面から捉えることに怯まず挑戦し、それを観るものに突きつけてくる迫真の映像をぜひ自身の身体で受け止めてみてはいかがでしょうか。
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