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ブルーもしくはブルー/山本文緒 今、女性にも男性にも読まれるべきバブル期文学

読書感想
ブルーもしくはブルー/山本文緒 感想

本と雑談ラジオ第140回の課題本として取り上げられている「ブルーもしくはブルー(山本文緒)」を読みました。

2021年10月にまだ58歳という若さで亡くなられた山本さんですが、名前や著作は当然目にしていながらも、これまでほぼ読んだことがなく、所有していた妹から急遽取り寄せた次第です。

あらすじ、内容について(ネタバレあり)

本と雑談ラジオでも語られていますが、設定はけっこうSFチック。

東京のマンションで夫・佐々木とドライな生活をしている蒼子(蒼子A)は、浮気相手との旅行帰り、気が向いて立ち寄った福岡にて、昔付き合っていた男・河見を偶然みかける。

そして、その河見と一緒に歩く女は蒼子にそっくりどころか、ほぼ蒼子自身(蒼子B)だった。

それぞれに不満と葛藤を抱えて生きている二人の蒼子たちが、お互いの生活を交換してみることになるのは自然のなりゆき……。

憧れの生活、欲しかった愛情を手に入れ満足するのか、あるいは、不満を共有するだけの結果になるのか。そして、それぞれの生活を経験してしまった二人は、すんなりと元の生活に戻ることができるのか――

ブルーもしくはブルー/山本文緒

感想、所感

Wikipediaで調べると、本作「ブルーもしくはブルー」は1992年(平成4年)9月に宙出版より刊行、とあります。

辛うじて当時の空気感を覚えている世代で、時代を振り返るという意味でもなんとも懐かしい読書になりました。

スマホはおろかケータイもなく、インターネットも登場しない本作は、読む前はもっと古臭い印象を受けると思ったけれど、読んでみるとそこまで違和感はなくて、古いには古いのだけど、大正・昭和初期の近代小説を読む時のように、割り切って受け入れられるとでもいうのでしょうか、言うなればバブル期文学としてすんなり入ってきました。


あらすじのとおり、エンタメ作品としてもとても面白いと思います。

ただ、やはり今の時代に読むからこそ気づく味わいがあって、それはやはり夫婦関係であったり、女性の生き方的なこと。

二人の蒼子の、東京と福岡という違う環境、違うパートナーとの暮らし。どちらの生活にも、当時確かにあった空気感をリアリティをもって描かれているからこそ、今とのギャップを浮き彫りにしています。


角川文庫の新装版の解説を書いている作家・柚木麻子さんは「日本女性の生きづらさがまったく変わっていないことにも、ハッとした」と言います。

【解説:柚木麻子】今、この時こそ読まれるべき名作です――『ブルーもしくはブルー』山本文緒著【文庫巻末解説】 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
文庫巻末に収録されている「解説」を特別公開! 本選びにお役立てください。…

テクノロジーだけでなく、DVや、ハラスメント的な言葉も、当時聞かれることはほぼありませんでした。

その頃と今でどこが良くなって、なにが変わっていないのでしょうか。

柚木麻子さんは「今、この時こそ読まれるべき名作です」と断言します。

ネットもスマホもない当時では考えられなかったAmazonで、一冊ポチってみてはいかがでしょうか。おすすめです。

ブルーもしくはブルー/山本文緒

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