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全仏オープン2019感想、日本人選手の試合レビュー 錦織圭、ナダル相手に散る

三ツ沢公園テニスコート テニス
三ツ沢公園テニスコート

グランドスラム大会の一つ、全仏オープンが始まりました。
日本人選手も多く出場していて見どころ豊富。

今回の全仏オープンはWOWOW、テレビ東京系列で放送されています。

テレビ東京の全仏中継についての不満

我が家はWOWOWに加入していないため、テレビ東京で今回の全仏を観戦しました。
放送してくれること自体はとてもよいことなのですが、ちょっと気に入らないところがいくつか。

まず、LIVEではない時点でスポーツ中継としての魅力は半減です。
例えば放送枠が21時からしか取れないとしても、試合途中からでもLIVE放送して欲しいというのが見る側の気持ち。
録画で最初から見たい人のためには、時間をずらして深夜に再放送など対応できると思いますし、そもそもサブチャンネルは活用できないのでしょうか?

また、今大会には、錦織と大坂の他にも、男女2人ずつが本選に出場しました。
このうち、西岡と奈良は見事初戦を勝って2回戦に進出。
西岡はベスト8まで進んだデルポトロと歴史に残る大激戦を演じ、奈良もテニス界の女王セリーナと対戦しました。

それにもかかわらず、私が観ていた範囲では、番組内で西岡 良仁、ダニエル太郎、奈良くるみ、土井美咲という名前が発せられることはただの一度もありませんでした。

この時点で、テレビ東京が全仏テニスという大会を伝えたいからではなく、錦織と大坂の人気に乗りたいだけというスタンスが分かるというものですが、増田和也アナウンサーと滝川クリステルが声を揃えて言う「アレー!錦織!」「アレー!なおみ!」に至っては、他の日本人選手も応援してあげてよ! と、テレビの前で思わず文句を言ってしまうのでした。

錦織圭、ナダル相手に散る

錦織は、第2シードのナダルに対し、1-6、1-6、3-6というスコアで完敗。

リオオリンピックの3位決定戦で競り勝った試合の再現なるか期待されましたが、激戦を経て消耗しきった錦織がクレーコートで強さを倍増させるナダルを脅かすことはできませんんでした。

それにしても33歳となったナダル、衰えを一切感じさせない強さでした。
ナダルの他にも、37歳のフェデラー、32歳のジョコビッチ、34歳ワウリンカがベスト8に残りました。

これらの選手が驚異的という見方もできますが、ラケットの進化や、フィジカルトレーニングの確立などで、以前より明らかに選手寿命が延びています。

今年30歳をむかえる錦織も、海外選手に比べて体のサイズ的なハンデはあるものの、まだまだやれるはずです!

錦織圭、フルセットでペールを退ける

錦織が6-2、6-7(8)、6-2、6-7(8)、7-5という、またしてもフルセットの戦いでフランスのペールに競り勝ちました。

強烈なストロークと柔らかなタッチのドロップショットなど、多彩な攻めを見せるペールに対し錦織も充分に対応できていましたが、本来は強いはずのタイブレークを2度とも落としてしまったことがフルセットまでもつれる原因になりました。

そして最終セットはまたブレークを先行される苦しい展開ながら、粘りに粘った錦織の気迫が最後はペールを上回りました。

大坂なおみ、まさかのストレート負けで3回戦敗退

大坂は、チェコのシニアコバを相手に4-6、2-6という信じられないスコアで敗退。

試合の入り方は、今大会一番とも言える立ち上がりでした。
シニアコバは、大坂のリターンにあらゆる策を講じ、なんとかキープを続けますが、この序盤の攻防を観た誰もが、いつでもブレークできる、と思ったのではないでしょうか。

ところが、シニアコバはすんでのところで耐え続け、なかなか崩れません。

大坂の堂々としたプレーを支えていた心のゆとりが、いつしか油断になっていたのかもしれません。
先にブレークを許すと、そのスキに焦りが生じてしまいました。

2セット目も、相手サーブを一度もブレークすることができず、逆に2ブレークを許して敗退。
完全な自滅ゲームとなってしまいまいた。

グランドスラムの3回戦という舞台で決して見せてはいけない質のゲームでしたが、これが若さなのかもしれません。

実力は文句なしのナンバーワン。大坂なら、この敗戦を今後活かせるはずです。

錦織圭、激戦を制しベスト16進出!

3回戦の錦織、セルビアの若手ジェレを相手に6-4、6-7(6)、6-3、4-6、8-6という4時間超の激戦の末に勝利を掴みました。
23歳のジェレは、守り中心のプレースタイルという予想を裏切り、安定感をベースに鋭いバックハンドのダウンザライン、短くなるや否や踏み込んでのクロスと、非常に良いプレーを見せました。
クレーコートに限って言えば、トップ10と遜色のない実力を持っているのではないでしょうか。
今後、間違いなくランキングを上げてくる若手です。

錦織もよく勝ちきりました。
ただ、懸念していた先にブレークされる展開はやはり出てしまいました。
(5セット中、3セットで先にブレークされた)

特にファイナルセットでは、2ブレークダウンからの逆転。
野球でいえば、9回裏に5点差をひっくり返したようなゲーム展開です。

普通なら安全圏とも思えるリードを得たジェレの、ちょっとした気の緩みもあったのかもしれませんが、決してプレーの質を落とさなかったことが逆転につながりました。

次戦は、またも地元フランスのブノワ ペール。
実力を出せれば勝てる相手ですが、簡単にそうさせないのがペール。
パワーを持ち合わせながら緩急自在、ときに感情的な態度で心理的にも揺さぶってくる、まさに曲者。
勢いに乗せると、地元の応援と相まって怖い相手になるでしょう。

大坂なおみの2回戦、元世界ランク1位アザレンカに勝利

大坂が、元世界1位のアザレンカに対し4-6、7-5、6-3で勝利。
初戦と同じく第一セットは落としたものの、プレーのクオリティーは断然よくなっていました。
もちろんそうでないと、アザレンカには勝てないのですが。

とはいえ、逆転勝ちできるかどうかは実に紙一重の攻防であったことも事実。
第二セットの要所の1、2ポイントを失っていたら、ストレート負けの可能性も充分にありました。
そして、そういった勝負どころをことごとく取りきる大坂はやはり凄いのです。

冷や冷やする試合展開ながら、こうしたゲームをするすると勝ち上がっていくのが大坂。
まだ、一段あげられるギアを残しながら戦っているように見えます。

奈良はセリーナに完敗、西岡はデルポトロにフルセットで惜敗

奈良くるみは元女王のセリーナ・ウィリアムズに6-3、6-2で完敗。
予選から数えると5試合目、厳しい試合も多く疲労が残るなか、全力を出し切った大会になったと思います。

動画を見てもらうとお分かりのとおり、155cmの奈良が、勇敢に怪物に立ち向かっているかのよう。

そして西岡 良仁。
世界ランク9位のデルポトロに対し、7-5、4-6、2-6、7-6(5)、2-6の熱戦の末、惜しくも敗れてしまいました。

一本一本、返球するたびに観客がどよめく粘りのラリー。
負けた選手の退場シーンでのスタンディングオベーションも、なかなか観られるものではありません。

トップ50目前までランクを上げながら足の怪我で長期離脱を余儀なくされた西岡ですが、トップ10選手を追い込むまでに復活。
この調子が維持できればトップ50は余裕でクリア、今年中には30位も見えてくるのではないでしょうか。

錦織のような天才肌ではないにせよ、まだ23歳で伸びしろは充分です。

錦織圭の2回戦、地元フランスの相手、ツォンガを下す

錦織の2回戦、地元ツォンガに4-6、6-4、6-4、6-4で勝利。
サーブとフォアが強烈なツォンガに対し、レベルの高いラリー戦を繰り広げ、要所を押さえて勝ちきりました。
球足の遅いクレーコートということも錦織に有利に働き、競ったスコアながらも完勝といっていいい内容でした。

気になるのは、サービスゲームをブレークされることが多いところ。
クレーだからある程度しかたないとはいえ、特に第3、第4セットは先にブレークされることで苦しい展開になってしまいました。
結果的にブレークバックするのが錦織らしいといえばそうなのですが、ラウンドが進むにつれてそう簡単にはいかなくなります。
この先は、これまで以上にサービスキープ率を高める必要があります。

錦織圭の1回戦について

錦織圭はランキング100位代のQ.アリスに6-2、6-3、6-4と初戦を難なく突破。
もちろん妥当な勝ち上がりですが、実力を発揮することが難しいのがグランドスラム。
相手は地元フランスの期待の若手、プレーにも躍動感があり、完全アウェーの雰囲気のなか、決してスコアほど簡単な試合ではありませんでした。
これまで何度もグランドスラムで活躍している錦織の経験が活きたストレート勝ちでした。

大坂なおみの1回戦について

大坂なおみも1回戦を勝ち上がりました。
ところが、スコアは0-6、7-6、6-1とギリギリ、負けても不思議ではないほどの内容でした。
シュミエドロバもツアー3勝しているけっして侮れない選手とはいえ、大坂がいつも通りのプレーさえすれば絶対に負けない相手。
試合後のインタビューでは緊張という言葉をあげていた大坂。
世界ランク1位として恥ずかしくないプレーをしたい大坂に対し、相手はノープレッシャーで王者に挑んでくるのですから、試合の入り方に失敗するとこうなってしまいます。

初回ストライクが入らなくて崩れていく豪腕ピッチャーのような、そんな大坂の初戦でした。
よく勝利をもぎとったと思います。

西岡 良仁、ダニエル太郎

錦織圭のほかにも2人の日本人選手が出場しています。
ダニエル太郎はフランスの実力者・モンフィスにストレート負けを喫しましたが、西岡はアメリカのマクドナルドにフルセットで競り勝ちました。

スピンの聞いた左利きフォアハンドに、威力のあるバックハンドが持ち味の西岡。
次戦のデルポトロは、怪我の期間を除くと長くランキング一桁を維持するトップ選手。
しかし粘り強いプレーが持ち味の西岡、大坂を脅かしたシュミエドロバのようなしぶとさを発揮すればチャンスがやってくるかもしれません。

奈良くるみ、土井美咲

女子では、奈良くるみ、土井美咲も本戦に。
土井は惜しくも初戦で敗退するも、奈良はヤクポビッチに競り勝ち2回戦進出。

次戦は、なんとセリーナ・ウィリアムズ。
パワーには疑いの余地がありませんが、まだ出産前の安定感は戻ってきていない感があり、チャンスはゼロではありません。
実は、姉のビーナス・ウィリアムズ、そして、オフシーズンの試合ながらセリーナにも勝った経験のある奈良。
ウィリアムズ姉妹との相性が意外と良いのかもしれません。

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