マチネの終わりに/平野啓一郎 おっさんでもしっかり感動できる恋愛小説。

マチネの終わりに 感想 読書
マチネの終わりに 感想

平野啓一郎さんの「マチネの終わり」に、を読んだ感想です。
一部ネタバレします。
 
若かりし頃から天才の名を欲しいままにするギタリスト蒔野(まきの)と、映画監督を父に持ち、フランスの通信社で記者をしている洋子。
蒔野のコンサート後に訪れた出会いから二人の恋は始まります。
しかし、洋子には既にフィアンセがおり、そんな洋子に惹かれていく蒔野を、マネージャーの早苗は気にかけます。
 
いよいよ二人恋が実ろうか、という最初のクライマックス。
蒔野と洋子の二人で、長崎に住む洋子の母親に挨拶にいくために洋子が帰国します。
しかし、その待ち合わせの夜にとんでもないできごとが……
 
この夜の様々な状況と偶然により、ある人物の思惑通り、二人の距離はどんどん離れていってしまいます。
 
読み始めは、あまりにも縁遠い登場人物と、興味が持ちづらい恋愛もの、ということでかなり心配でしたが、平野さんの表現力豊かな文章と、筋としては分かりやすいので、どんどん読み進めることができました。
 
あまりにも人間が立派すぎると感じられる部分がなくもないですが、しかし、互いを思いやり、自分を深く省みる描写は重厚です。
 
当初の懸念をよそに見事に感情移入してしまい、最後には結ばれるんじゃないか、というどんでん返しを期待しながら読むわけですが、それぞれの家庭で子供を授かり、そんな奇跡からはどんどん離れていくことに。
 
そして、月日がたち再び二人が交差する、儚くて美しいエンディング。
平野さんの用意した、粋な舞台設定に見事にやられてしまいました。
 
おっさんでもしっかり感動できる恋愛小説、おすすめの一冊です。
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました